「八宗の祖」と言われるように、全ての大乗仏教で釈尊に次ぐ祖師と仰がれる龍樹(ナーガールジュナ)。その鋭い論理を駆使した「空の哲学」は、今や仏教の枠を超えて世界的に評価されている。その一方で、彼は慈悲と内省に生きた大乗仏教の求道者=菩薩だった。 本書は、著者永年の研究成果を踏まえて、新たな視点からその全体像を描き出した、画期的な龍樹論です。 ■はじめに 序 章 大乗菩薩としてのナーガールジュナ 第一章 その生涯 ■資料と歴史的背景 ■『付法蔵因縁伝』のナーガールジュナ伝 ■経典や旅行記などの伝承 第二章 著作の概要 ■伝承の検討 ■現存する著作 ■主著『中論』 ■『大智度論』と『十住毘婆沙論』 第三章 空の世界 ■『六十頌如理論』──縁起と空 ■『空七十論』──真理とことば ■『廻諍論』──空のはたらき ■『ヴァイダルヤ論』──論理学批判 第四章 『中論』の思想と論理 ■本書の概要 ■「八不」の縁起 ■否定論証とは何か ■否定と肯定 ■我(アートマン)の考察 ■空の三態 ■二つの真理──世俗と勝義 第五章 菩薩の道 ■『十住毘婆沙論』──不退への道 ■『菩提資糧論』──般若と方便 ■『宝行王正論』──繁栄と至福の法 ■『勧誡王頌』──友への手紙 終 章 智慧と慈悲の実践者 ■付 ナーガールジュナ・コーンダを訪ねて ■あとがき

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