
何がかれらを芸術の道へと導くのか 日本の美術教育は、芸術家としての生き方・あり方にどのような影響を与えているのか。美大生の子ども時代から大学卒業までの人生を手がかりに、「芸術家になる」過程を社会学的な視点から描き出す。 序 章 美大生の社会学に向けて 1.問題の所在ーー芸術家養成と専門教育 2.先行研究の検討ーー高等教育と芸術・文化生産の研究を架橋する 3.研究課題の設定ーー本書の3つの問い 4.分析の視座ーーディスポジション/ハビトゥス 5.研究対象と方法 6.本書の構成 第1章 美術系大学の学生の子ども時代 は じ め に 1.出身家庭の文化的・経済的状況 2.美術に親和的なディスポジションの形成背景 お わ り に 第2章 美術系高校・大学への進路選択 は じ め に 1.美術系高校への進路選択 2.非美術系高校から美術系大学への進路選択 お わ り に 第3章 美術系予備校・画塾を通じた文化獲得 は じ め に 1.美術系大学進学者の予備校・画塾経験 2.予備校・画塾の有用性と機能 お わ り に 第4章 美術系予備校・画塾が学生の大学生活に与える影響 は じ め に 1.通学者による予備校・画塾経験への評価 2.予備校・画塾の経験度合いによる大学生活の違い お わ り に 第5章 大学生活を通じた表現行為の追求と「大学」の意味 は じ め に 1.大学生活を通じた表現行為の追求 2.「大学」への意味づけ お わ り に 第6章 美術系大学の学生の大学生活満足度 は じ め に 1. 先行研究の検討と仮説の設定 2.大学生活満足度を多角的に捉える お わ り に 第7章 美術系大学からの卒業後進路選択 は じ め に 1.作家志望者の学卒後メインルート 2.作家志望と就職の結びつきにくさの背景 3.作家志望者の卒業後進路選択をめぐる不安と葛藤 お わ り に 終 章 美大生の社会学から日本の芸術家養成を考える 1.本書で明らかになったこと 2.見出された重要な3つの論点 3.これからの研究のための課題
- ISBN:
- 9784771035867