「男性稼ぎ主モデル」の転換は日本が直面している最重要課題の1つであり、それにとって代わる新しい社会関係を探る必要があるのではないか。 本書は、日本の生活保障の諸課題と現状に鑑みながら、規範論・政策論・動態論の全領域に目配りし首尾一貫したシャフトをとおす。「男性稼ぎ主モデル」に代わる新しい社会モデル「稼得とケアの調和モデル(earner-carer model)」の提案とその実現プロセスを、国際比較を通して検討した力作。 序 章 「男性稼ぎ主モデル」の克服  1 なぜ「男性稼ぎ主モデル」を克服しなければならないのか  2 研究枠組み  3 本書の構成  第1部 「稼得とケアの調和モデル」の実現方法ーー欧州6か国の比較 第1章 規範論・政策論・動態論の連動  1 先行研究の検討  2 本書の位置づけ 第2章 「稼得とケアの調和モデル」《規範論》  1 本章の目的  2 「男性稼ぎ主モデル」とは異なるモデル  3 定義と課題の明示  4 政策論に向けて 第3章 「稼得とケアの調和モデル」の3つの政策理念型《政策論》  1 本章の目的  2 政策パッケージの多様性を検討する意義  3 分析枠組み  4 欧州6か国と日本の政策パッケージ  5 3つの政策理念型  6 多様な政策的アプローチ 第4章 欧州6か国と日本における「稼得とケアの調和」の現状  1 本章の目的  2 分析枠組み  3 稼得役割  4 ケア役割  5 父親の役割変化が鍵  第2部 「柔軟就労・共同ケア型」への移行ーー《動態論》イギリスの事例から探る 第5章 「北欧型」ECECシステムには移行せず  1 本章の目的  2 イギリスのECECシステム  3 サービスの財源・供給における複合構制の採用  4 教育・保育・福祉の分立  5 「親の育児責任」の強調と受容  6 「北欧型」への移行を阻害した要因  7 アイディアの合意・共有が不可欠 第6章 「柔軟就労型」への移行  1 本章の目的  2 イギリスの「柔軟な働き方」制度  3 「柔軟な働き方」法制化の過程  4 「父親のケア役割」の欠落  5 「柔軟就労型」への移行を促進した要因  6 アクター間の関係性・相互作用 終 章 「稼得とケアの調和モデル」が拓く未来  1 欧州の経験が示す「稼得とケアの調和モデル」への道  2 日本における移行経路の展望  3 今後の研究に向けた課題 引用文献 あとがき 索  引

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