本書は,まず第一に関係精神分析の包括的な入門書であり,さらに現代精神分析思想の諸潮流(対象関係論,対人関係論,自我心理学,自己心理学,間主観的アプローチ,等)を概観し精神分析をめぐる最新の議論を展開した優れた理論書である。 また読者は本書を読むことによって,“相互性”という観点から,投影同一化,転移・逆転移,エナクトメント,共感と解釈,関係論モデル,間主観性,といった重要な諸概念の意味と臨床における技法を理解することができるであろう。 現代精神分析の古典とも言うべき名高い本書“A Meeting of Minds”の翻訳刊行によって,ルイス・アロン(Lewis Aron)の傑出した学究的成果を読者に提供するものである。冒頭にガリト・アトラス(Galit Atlas)による“関係理論概説”ともいうべき詳細な序文を付す。 日本語版への序文:ガリト・アトラス 第1章 関係性への志向性:序論 第2章 関係理論とその境界:一者心理学と二者心理学 第3章 分析者の主観性についての患者の体験 第4章 分析者の主観性の表現としての解釈 第5章 臨床精神分析における相互性の諸側面 第6章 相互性と自律の弁証法: シャーンドル・フェレンツィとオットー・ランクの貢献のなかにある関係論の起源 第7章 エナクトメント,相互交流,そして投影同一化: 精神分析の対人関係化 第8章 知ることと知られることについて: 自己開示に関する理論的,技法的考察

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