言語と文化に関わる営みは、しばしば異文化の存在を意識し、異文化の介在するものとなる。学問研究においても、異文化を通じてもたらされる“他なるもの”が促進剤となることがあり、異文化との相互参照を手法とし、時に対象そのものとする領域や方法論が発展し成果が蓄積されてきた。本書では、そうした異文化との出会いを諸領域に見ながら、事象の捉え方の一断面を浮かび上がらせる。言語と文化を捉える水準の多様性と観点の有効性を理解する。 1.キリスト教との出会いー聖書日本語訳の歩み 2.外国文学とのつきあい方ー大江健三郎の場合 3.「報告書第25号」-ルース・ベネディクトの日本 4.ペーパーバックとの出会いー異文化としての「アメリカ」 5.ポライトネスの東西対立ー自他をどう捉えるか? 6.中国における音韻観念の形成とその拡大(1)-反切の口唱性 7.話し方を合わせるーコミュニケーション調節理論(1) 8.合わせ方を選ぶーコミュニケーション調節理論(2) 9.選び方を考えるーコミュニケーション調節理論(3) 10.中国における音韻観念の形成とその拡大(2)-三十六字母と域外文字 11.中国における音韻観念の形成とその拡大(3)-『同文韻統』の汎世界性 12.東アジアの中での日本の言語文化ー「あいさつ」をめぐって 13.スモールタウン滞在記ー異郷としての〈アメリカン・シーン〉 14.翻訳のロマン主義ー「他者」をいかに訳すか 15.異文化との出会い

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