
男と女の誘惑ゲーム ── 意外な展開と結末、セクシーでミステリアス。 名手による極上の官能短編集! 酔った上司を送り届けた若い部下を誘惑する欲求不満の奥様、別の園児の父親に声をかけ「いやらしいことを」と懇願する人妻、親友の夫に相談を持ちかけ思いのままにするバツイチの女性……ほか、欲求不満な肉体が編みだす白昼の男と女の官能ゲーム。 意外な展開と結末、セクシーでミステリアス。ストーリーの名手による珠玉の7編を収録した自選短編集。 ◆ 著者について 雨宮慶(あまみや・けい) 1947年、広島県生まれ。 日常のほんのささいな「踏み外し」から、別の世界に彷徨い込んでいく男と女を徹底的に描いた作品は、夢潤一郎名義で執筆していた頃から多くの読者に支持され、改名以後も斯界の実力派として君臨し続けている。 『部下の妻』『人妻の誘惑』『わるい指』『人妻 背徳のシャワー』『好色な愛人』『他人妻【ひとづま】』(以上、二見文庫)、『熟れて乱れて 』『淫する──人妻たちの性炎』(以上、双葉文庫)他著書多数。 淫萌え …… 5 眼鏡美人の人妻 …… 45 甘美な毒 …… 93 男運女運 …… 129 犯す女 …… 165 熟れた毒 …… 205 “しごろ”の女 …… 245 ショーツにかけた手が、ふるえそうだった。 悩ましく張った腰の中程まで鴨田がショーツを下ろしていくと、美江が自分から腰を浮かして脱がせやすくしてくれた。ショーツが腰とヒップを通り越すと同時に彼女の片方の太腿が下腹部を隠した。鴨田はいった。 「南条君のここ、よく見せてくれ」 「やだ、部長でもそんないやらしいこと、いうんですか」 「いけないか」 鴨田が訊き返すと、美江は笑みを浮かべたままかぶりを振り、 「でも、恥ずかしい……」 そういって片方の腕を眼のあたりに乗せ、太腿をよじっている脚をゆっくりと伸ばした。 あらわになったヘアが、鴨田の意表を突いた。こんもりと豊かに盛り上がった肉丘を飾っているそれは、逆三角形状に黒々として濃密に繁茂していたのだ。 (「甘美な毒」より)
- ISBN:
- 9784576210285