
読んで(1)面白く、しかも(2)ためになり、持ってて(3)カッコいいシリーズ第二弾!本書『新しき天使のための手引き書』は、前著の詩集『若き詩人のための手引き書』の姉妹編です。じつは、同書にも収録の「天使のソネット」を書いたのは、本書の、二人の主人公のひとり、ナルくんだったのです。前著に「天使のソネット或いは作者の死」と云う文章も載せていますが、文字どおり、「天使のソネット」を書いたのは、作者ではなく、ナル少年だった!副題が4つ(A〜D)も連なっていますが、先ず(A)「或いはクリスマス・イヴ物語」登場人物、サラとナルの、とっても奇妙な、哀しくも元気の出る?特別なクリスマス・イヴ物語。次に(B)「または許すことをめぐる冒険」次の問題にどう答えるのか?「ネガティヴからポジティヴへの転換の、未来への一歩を踏み出そうってときの、いわゆる〈許すこと〉をめぐる問題系。『他人を許せない』という感情からの解放。誰でもが持つ、その思いに伴う怒りや怖れが、どれほど、その人の足枷となり、健康を害していることか。ひとを許せないと言う感情の悪しき影響力とは、(1)身体面では、頭痛、腰痛からガンに至るような病気に着実に作用し、血液循環を狂わせ、ほとんどの器官にストレスを与え、さらに、(2)精神面では、イライラからウツ、不眠症等々の発症、免疫力の低下。ひとを許せないというのには、とうぜん、確かに、何かのきっかけ、理由があるもの。それに、こだわり、固着したくなる、もっともらしい理由がある。たとえば、誰かに傷つけられた、絶対許せない、許したら、そいつの方を認め、こっちが悪かったと引き下がることになる。簡単に許さなければ、傷つけたやつを精神的に支配できる、あたかも、他人を許さないことで、自分を傷つけたひとを罰しているのだと思い込んでいる。ところが、じっさいに傷ついているのは自分だけで、相手は痛くも痒くもないという、理不尽。自ら、怒り、憎しみ、非難、苦痛、欲求不満、等々にさいなまされ、その悪循環のループにとらわれ、はまって、まるで身動きがとれない、こうした檻の中に自分を閉じ込めているのはじつは、当の自分自身だってこと」さて、そかからの脱出への糸口とは?そして(C)「且つやさしい政治社会学入門」は、本書全体を通じて、やさしく、政治社会学を学ぶきっかけにもなればと。「《観念・機構・現実》の三者の相関関係を元に、《世界観・世界機構・現実世界》を世界の三位一体的相関関係としてとらえ、その基本原理である《自由・平等・友愛》は、じつは、《ジャンケンの三竦みの関係にある》という、社会=歴史的な、しんに総体的な《世界認識》の極みに達し、これからの《世界観・世界機構・現実世界》には、強度な《野生力=自然生成力》の導入が不可欠であり、それは、大乗仏教の《菩薩の精神》つまり、利他行為をすることがそのまま最高の自利であるという、利他と自利の高次の一致を、新しい酒を古い革袋に盛る様に新たな世紀のパラダイムとして端的に提出」(D)「おまけに天使のソネット付き」と、コストパフォーマンスバツグンの本なんです(とか)
- ISBN:
- 9784815035938