私が東京医科歯科大学(現・東京科学大学)に入学した1950年代、歯学部がある国立大学は東京と大阪の2校しかなく、歯科医師の数はたいへん不足していました。  そのような時代背景や、開業歯科医師だった父の影響もあり、私は将来、自分の歯科医院を開業するつもりでした。しかし、9年間の海外生活を経て、最後には愛知学院大学の歯学部で30年にわたり、歯科医師を目指す多くの学生の教育に携わらせていただきました。2024年で米寿を迎えましたが、これまで自伝の出版など、一度も考えたことはありませんでした。  きっかけは、次男の勧めです。  自伝執筆を渋っていると、次男は「その必要性はある」と、理由を説明してくれました。  次男の息子、つまり私の孫が昨年、歯学部に入学し、学生や教員との会話の中で、何かの拍子に私の名前をたびたび耳にしているとのこと。また、愛知学院大学歯学部の卒業生のうち、別の大学に教職として就任した人もいて、私の噂があちこちに広まっていたこと、などです。  次男は「子孫のため、そして歯学の道を選んだ学生のためにも、伝記を残すべきだ」と考えたのです。この次男の熱意ある説得に、ついに筆をとることにしました。  本書では、あくまで、私が歩んできた人生の記録として綴ってまいります。読者の皆様の、何かの参考になれば幸いです。(「まえがき」より要約) 第1章 幼少期から学生時代の記憶 第2章 アラバマ大学でインターン・レジデンスとして過ごした2年間 第3章 東京医科歯科大学 大学院生時代 第4章 マニトバ大学での教育・研究の日々 第5章 愛知学院大学での30年間を振り返って

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