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前代未聞の「女東宮候補」として、上皇・八雲の院の御所に集められた五人の姫君たちーー。 両親を早くに亡くし、宇治の田舎で貧しく暮らしていた火の宮もその候補となるが、 高慢で強引な八雲の院のやりかたに憤りを覚えていた。 五人の姫君ーー火の宮、犬の宮、恋の宮、四季の宮、和歌の宮ーーは、 雷光殿という一風変わった建物に滞在することになる。 だが、八雲の院との顔合わせ直後、和歌の宮が命を落とす。 病死や事故死ではありえない、明らかな殺人ーー。 雷光殿は池の中州に建てられた建物であり、渡るには船を使うしかない。 船は中州側につながれたままであることなどから、 「犯人は外部からの侵入者ではなく、もともと雷光殿にいた人間であり、 今もこの建物内にいる」という状況が発覚。 お互いがお互いを疑う中、さらなる犠牲が……。 一方、森羅殿に滞在している貴の宮は、 宇治で自分たちを襲った賊の「ある特徴」を思い出す。 急ぎ、雷光殿にいる姉・火の宮に伝えようとするが……!? 熾烈で哀しい道を進み、「女東宮」の座に就く姫君とはーー。

Price¥825
出版情報集英社松田 志乃ぶ/皐月 恵

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