
家事代行サービスの会社で働く秋月都。 ある日、都は急病のスタッフに代わり、北鎌倉に派遣されることに。 辿りついたのは、家事代行どころか、住み込みの家政婦がいても おかしくなさそうな大きなお屋敷。 庭には枝垂れ花桃が咲き乱れ、猫が幸せそうに寝ころんでいる。 和装の青年が都を出迎えるが、彼は羽鳥一成という名の若き和菓子職人で、 このお屋敷は、彼の工房兼、住居だったのだ。 一成の作る和菓子は見事な出来映えで、常連客も多い。 人知れず、和菓子に苦い思い出のあった都だが、彼の作る和菓子に触れるうち、 心の変化を自覚するようになりーー。 日々鍛えた料理の腕で、羽鳥家の“定期契約プラン”を勝ち取った都は、 いっとき閉店してしまっていた甘味処「ことりや茶房」の再開にも 関わることになるが……? 大丈夫。つまずいても、次の一歩を踏みだせるーー。 『ゆきうさぎのお品書き』の小湊悠貴が贈る、あたたかでほっとする物語。
- ISBN:
- 9784086805346