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古代ギリシャ以来、女性は男性の裏返しとして、ワンセックスモデルで語られていた。ルネサンス・科学革命期を迎え、ペニスの相同器官としてクリトリスが発見されても、このワンセックスモデルは生き延びた。大転換が起こったのは、「自由・平等・友愛」が叫ばれていた十八世紀以降のこと。二つの「セックス」は絶対的なものとされ、攻める男と待つ女の役割モデルが固定されていった。女性の性感をめぐるフロイトのクリトリス性愛からヴァギナ性愛への成熟説は、この傾向の真打ちともいうべき学説だった。

Price¥5,280
出版情報工作舎トマス・ラカー/高井宏子

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