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「メイナード様を、あなたにあげるわ」 フィリアは姉の言葉に驚いた。彼は聖女である姉の婚約者のはずなのに。 姉中心のこの家ではフィリアに拒否権はない。けれど秘かに彼を慕っていたフィリアは、自らも望んで彼の元へ。 そこには英雄と呼ばれ、美しい顔立ちをしていたかつての彼はいなかった。 首元に黒い痣のような呪いが浮かぶ衰弱したメイナードは「僕には君にあげられるものはないんだ」と心配する。 「ただメイナード様のお側にいられるのなら十分なのです」 解呪の方法を探すフィリアは、その黒い痣に文字が浮かんでいると気づいて……?

Price¥1,430
出版情報笠倉出版社瑪々子/天領寺 セナ

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