
介護現場の荒廃が止まらない。今年、都内の老人ホームで高齢者が介護者から暴行を受け、死亡する事件が発生。一方、介護職員の7割以上が利用者やその家族からハラスメントを受けているとの調査結果もある。利用者と介護者が互いに暴力をし合う背景にあるのは、現場の人手不足と制度の改悪だ。ケアが成り立たない状況のなか、私たちはどのように関係を築いていけばいいのか。そもそも人を介護するってどういうことか。現場をよく知る執筆者とともに、高齢者/障害者の垣根を越えて考察する。 安積宇宙さんの新連載「車椅子で宇宙(うみ)をわたる」 今号より、いよいよスタート! 特集以外にも、優生保護法被害弁護団・新里宏二代表によるレポート「旧優生保護法は違憲、しかし、請求は棄却」など、注目記事が満載! 【特集】:介護する/される関係を問いなおすーー暴力・パワハラ・セクハラ 深田耕一郎 介護──ふたつの身体がまじわるところ 村上久美子 「ご利用者・ご家族からのハラスメント」日本介護クラフトユニオン調査──介護現場におけるその実態と防止について 白崎朝子 介護現場に蔓延する相互暴力──「支援する側/される側」その境界を越えて 小川玲子 外国人がケアすること・外国人をケアすること 天畠大輔 甘え甘えられ、そして甘える関係 天畠大輔 高橋慎一 安楽死問題と障害者介助の経験 水野博達 なぜ、「介護労働者の権利宣言」運動なのか?──ケアは社会関係を基礎づけた「共感の労働」/介護労働への誇りを変革の力に インターチェンジ 交差点 佐藤陽一 【施設から】 ホームN通信・四回目の誕生日4存在のない子どもたち 千野慎一郎 【行政の窓口】 地域共生社会への取り組みーー子ども生活・学習支援の現場から 川口久雄 【教室のなかで】 ともに過ごす子どもたち 芝木捷子 【保育所の庭】 誰でも受け入れることのできる人に 障害者の権利条約とアジアの障害者◎第三十五回 中西由起子 権利条約の政府報告10第二十八条 相当な生活水準及び社会的な保障 障害学の世界から◎第八十三回 長瀬修 続・殺害された〈国際障害者年の父〉──マンスール・ラシッド・キヒア:残された家族と帰還 季節風 柏井宏之 地域生活にこだわる意志力──「津久井やまゆり園事件を考え続ける・対話集会2」報告 松浦武夫 東京と大阪、東西の入所施設への取り組み 澤 則雄 映画『生きるのに理由はいるの?』──津久井やまゆり園事件が問いかけたものは…… 堀 利和 尊厳死は社会的死である 車椅子で宇宙(うみ)をわたる 第一回 安積宇宙 はじまりの話──私にとっての「家」と「障がい」 現場からのレポート 新里宏二 旧優生保護法は違憲、しかし、請求は棄却 川見公子 透析患者に死の選択肢提示は許されるのか!?──公立福生病院事件を考える院内集会の報告 柳原由以 川崎市の反論から見える「合理的配慮」への無理解──医療的ケア児の就学裁判から 宇野和博 読書バリアフリー法成立の意義と今後の課題──だれもがいつまでも本と親しめるように 投稿 三家本里実 保育現場における虐待と保育士の離職──保育のあり方や質を求めて
- ISBN:
- 9784768423646