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『白鯨』『ビリー・バッド』「バートルビー」をはじめ、安易な解釈を許さない数々の問題作で知られる19世紀米国の大作家メルヴィル。その主要作品群を精読し、誘惑すると同時に理解を拒絶する他者、配達不能郵便(デッドレター)のモチーフ、孤独や共同体や帝国主義的暴力の問題など、書くこと/読むことの根源に関わるテーマを徹底的に掘り下げる。読解への最高の手引きとなる一冊、ここに誕生! 序 章 第一部 他者を求める──孤独な水夫たち  第一章 『白鯨』における寂しい個人主義  第二章 『イズラエル・ポッター』における倫理的寂しさ  第三章 痕跡を書き残す──『ジョン・マーと水夫たち』 における孤独の共同体 第二部 他者を見つける──不気味な自己像  第四章 他者を貫く──『タイピー』における個人と共同体  第五章 「誰も自分の父たりえない」──『ピエール』におけるデッドレターと血縁 第三部 他者を取り込む──帝国的欲望  第六章 時間の暴力に抗う──「エンカンタダス」における不確かな未来  第七章 差異を超える──「ベニト・セレノ」における認識の詩学 第四部 他者を覗く──沈黙の裂け目  第八章 秘密の感情──『信用詐欺師』における障害と公共空間  第九章 バートルビーの机──情動理論とメルヴィル文学  第十章 ビリーを撃つ──媒介される内面 あとがき 引用文献 索引

Price¥3,520
出版情報法政大学出版局古井 義昭

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