「あの人妻」は誰だったのか……? 性への好奇心満々の男子高校生三人。 その童貞を次から次へと奪ったのは──謎が謎を呼ぶ、新しい官能エンタメ書下し! 30歳を前に久々に会った同級生三人組が、高校時代の思い出話を始めた。 仁志が、実は、高三で初体験をしたことを告白すると、彰も「実は俺も……」と。 三人が同じ時期に同じように初体験をしていたことに驚く彼ら。 さらに、各々の相手の特徴がどこか似通っている。 そのことに気づいた彼らは、その「人妻」を探しはじめるが、驚きの結末が。書下し官能エンタメ! ◆ 著者について 橘真児(たちばな・しんじ) 新潟県出身。1996年『ロリータ粘液検査』(マドンナメイト文庫)でデビュー。「もっとも青春小説的な官能作家」と評され、注目を集める。 以降、グリーンドア文庫、フランス書院文庫、フランス書院美少女文庫、双葉文庫、祥伝社文庫、竹書房ラブロマン文庫他で執筆。 教員をしながら執筆活動を続けてきたが、のちに専業作家となる。 著作に『診てあげる 誘惑クリニック』『理想の玩具』『語学教室 夜のコミュニケーション』『人妻遊園地』『人事部 夜の悩み相談室』『人妻部 夜の社員研修』 『奥さまの細道 人妻めぐり』『両手に人妻』『なぜか人妻』『人妻と官能小説家と…』『女生徒たちと先生と』『人妻たちと教師』(以上、二見文庫)など多数。 第1章 ラーメンと人妻      6 第2章 図書館の人妻       86 第3章 人妻の玉いじり      153 第4章 その人の名は──     225 「仁志君は童貞でしょ?」 「う──は、はい」 「じゃあ、自分でシコシコしないと、溜まってしょうがないわね」  自慰が習慣になっていると、やはりわかっているのだ。 「ねえ、体験したいんじゃないの?」 「え?」 「セックス」  直接的な問いかけに、仁志はもしやと悟った。 (冴子さん、おれに初体験をさせてくれるつもりなのか?)  期待が高まり、心臓の鼓動が激しくなる。息苦しさを覚えると、冴子が首をかしげた。 「わたしとしたい?」  思わせぶりに目を細められ、間違いないと確信する。 「は、はい!」  返事の声がやけに大きくなってしまう。それでも、その返事を待っていたというふうに、艶っぽくほほを緩めた。

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