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ムッソリーニに先駆けた男の破天荒な生涯  ガブリエーレ・ダンヌンツィオ(1863-1938)は、ジョイス、プルースト、三島由紀夫を魅了した、近現代イタリアを代表する文学者であり、イタリア詩の伝統を受け継ぐ最後の天才、「詩聖」と称された詩人だ。  しかし一方で、第一次大戦参戦をめぐる過激なナショナリストとしての運動は、「ファシズムの先駆者」ともいうべき存在であり、ムッソリーニに強い影響を与え、第二次大戦後は批判されてきた。ムッソリーニはダンヌンツィオから、独裁政治の思想と手法、協調組合主義、大衆宣伝、暴力的な弾圧などを学んだとされる。  本書は、破天荒な生涯を送った傑物の全貌を、英国伝記文学の伝統に連なる叙述で、歴史にも目配りしながら、生き生きと描いている。イタリアの国民的詩人にしてナショナリストのデマゴーグ、戦争の英雄にして色事師……いくつもの貌を持つ奇才のスキャンダラスな生涯に迫る、評伝の決定版。  本書は、優れたノンフィクション作品に授与される、サミュエル・ジョンソン賞、コスタ賞、ダフ・クーパー賞をトリプル受賞した。図版多数収録。

Price¥10,120
出版情報白水社ルーシー・ヒューズ=ハレット/柴野 均

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